ヘアドネーション【 寄付できる髪の毛の条件ついて 】

寄付できる髪の毛の条件について

人毛のマーケットは現在、中国が独占しています。 理由として、欧米・南米・アフリカの髪の毛は特有のクセがあることが多いため、加工を施す原毛処理に手数が必要で、ストレートで硬いアジア人毛は艶もあり、大変綺麗ですし、ウィッグに適していて、人毛のマーケットとしてアジアでは広がりやすかったことがまず挙げられます。

また、日本でも過去は人毛を加工する職人さんがいらっしゃいました。 しかし、原毛を加工する作業は当時、依頼するのが安価だった韓国へ、さらに、安価であった中国へと移っていき、現在は北朝鮮にもネットワークがあります。 日本ではあまり耳にしない話かと思いますが、現在も中国の山間部等では髪の毛を売って生活している方たちもおられます。それも、世界の人毛マーケットが中国にあることの要因になっているのではないかと考えます。

長年ウィッグを扱っていると、近年、髪質(原毛質)が変わってきたのを実感します。理美容師さんはカットウィッグなどで加工された人毛を扱われることが多いため、髪の毛が昔に比べ、変化していることも既にご存じかと思います。 日本の子どもたちも手足は長くなり、顔も小さくなって、スタイルも良いですよね。 同じように、髪の毛にも常に変化していて、色が明るく、柔らかく、部分的にクセがあったり、また襟足が高かったり、もみあげが短かったり、髪の毛の生えている面積も狭くなってきている感じも否めません。 確実に太くて硬い原毛が減少して、クセが加わってきたりしている原毛の質の変化に伴って、原毛の価格も10年前と比較すると、現在は10倍以上に跳ね上がっています。 そのため皆さまからご寄付いただける髪の毛は、長さ・髪質など問わず、大変ありがたくとても重要なものなのです。

皆さまからドネーションいただきました髪の毛をウィッグの資材として加工するにあたり、それぞれの髪質が異なるため、以下の行程をふんでいきます。

1. 髪の毛を ●長さ ●太さ ●髪質 ●クセ など、さまざまな髪の毛の仕分けを行います。

2. 髪のキューティクル部( 表面 )の処理します。  キューティクルがあると髪の毛に弾力があるため、ネットに結んでも結び目がほどけない程度にキューティクルを溶解させます。

3.   必要であれば脱色を行った上で、髪の毛の白髪を染めたり、違う色髪の毛との均一化を図るため染毛していきます。

4. 髪の毛の表面に保護コーティングを施します。 ( 日本の化粧品としては承認されてない薬品を使用します )これにより、ウィッグとして使用する際に髪の毛が保護され、より長持ちします。

上記の行程の中で処理できないものとして、過度なブリーチ( 髪を漂白する処理 )を繰り返した髪の毛など、次亜塩素酸ナトリウムや、次亜塩素酸ソーダといった髪の毛表面の加工処理剤によって断毛してしまうような髪の毛は、資材としてはじかれる可能性がありますのでご周知おきいただきますと幸いです。

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